デュア・リパ「レビテイティング」/Album「フューチャー・ノスタルジア」
おじさんはいつも昔のアーティストの、古い曲ばかりを聴いているイメージかもしれませんが、実は毎週、テレビ神奈川の Billboard Top 40 で最新のヒットチャートもチェックしています。本当は時代もジャンルも関係なく、とにかく良いメロディが聴きたいのです。
D-から始まるアーティストの最後は、今年大活躍したDua Lipaを推しましょう。
彼女は1995年、ロンドン生まれの25歳。ファッションモデルでありシンガーソングライターでもあるんですね。複数の才能を持って生まれた若者が成功するのは、見ていてうらやましい限りです。
Dua Lipaの音楽性
2017年に"New Rules"がヒットした時は、「変なメロディの曲だな」と思っていましたが、このセカンドアルバムでは、全体に70年代のディスコ・ミュージックを彷彿とさせるサウンドが展開し、ラップは少なくメロディアスな曲調が続きます。
ノリの良さ、メロディの分かりやすさ、彼女の贅肉のない声質も合わせて、聴いていてとても爽快です。捨て曲はありません!
しかし昔のディスコ・サウンドと大きく違うのは、バックのオケがドラムとベースを基調に、とてもシンプルでコンパクトにまとまっていることです。(全てPCベースのサンプラー音源を利用し、プログラミングされたものです)
昔のディスコ・サウンドによくある「絢爛豪華なストリングス」はほとんど出てきません。場面によってはDsとBassだけで歌っているところもあり、ストイックで贅肉が無い、オーガニックなイメージも、とても現代的で清々しいものです。
メディアとアーティストについて
今年私が良く聴いたのは、男性ならPost Malone、女性はDua Lipaでした。しかし両方とも、もうCDは購入していません。Spotifyを利用し、net上でいつでも何度でも聴くことができるので、もはや「所有する」必要が無くなりました。
少しの間広告が入ることを我慢すれば、無料です。つまりラジオと同じ。更にラジオより良いのは、余計なしゃべりがかぶされて曲が邪魔されることなく、完全な形で全曲聴けるということ。
すごい時代になりましたね。どこかの本で「誰が音楽を無料にしてしまったんだ」という論調がありましたが、ホントその通りですね。
アーティストの側は、完全に無料で音楽を提供しているのでなく、「所有したい」リスナーのダウンロード料と、無料リスナーが聴く広告の料金で収入を得ているわけですね。
リスナーにとってみれば、より低コストで多くの音楽に触れる機会が広がって、より良い世界になったと言えますが、アーティスト側からすれば、「ヒット曲を作り続けなければ、極端に収入が減ってしまう時代になった」と言えるのではないでしょうか。
すると何が起こるのかと言えば、余分なコストをかけられなくなるわけで、まず職人芸の楽器プレイヤーを雇う余裕がなくなります。コーラスも自分でやるようになる。自然とソロアーティストの時代になって行くわけです。しかもマルチタレントでなければならない。
昔のような、「ドラムなら誰」とか「スティールギターの名手が参加している」なんていう世界はもう永久に終りということですかね。音楽から、アンサンブルという概念が無くなりつつある、そんな流れでしょうか。 昔から音楽を聴いているおじさんには、その辺が寂しいところです。厳しい時代ですね。
日本だけは未だに、大人数で・ユニゾンで歌う(コーラスができない)「群舞」のグループや、昔ながらの「バンド」(本当は正規メンバーだけでは自分たちの曲を演奏できないが)など、低レベルの音楽アーティスト(実は芸能タレント)達が幅を利かせている状況ですが、いずれ日本の音楽シーンもそうなって行くのでしょう。
ではまた。皆さん良いお年を。来年もよろしくお願い致します。
You Tube チャンネル8曲目「もっと素直になればいい」を公開しました
以前の書き込みで「年内あと一曲リリースします」と、つい調子に乗って書きましたが、結局クリスマスにも間に合わず、最終週になってしまいました。
でも何とかぎりぎり「仕事納め」に間に合わすことができました! 今年5曲目! やったー。
いつものように、御用とお急ぎのない、暇で暇でどうしようもない方、変なものを見聴きしたがるモノ好きな方、何があっても冷静でいられる方、めったに怒らない気の長い方、またもや5分間になってしまいましたが、耐えて聴いてみていただけますでしょうか。
よろしくお願い致します。
学生時代に作った曲
私の曲はいつも古めかしい・古臭いものばかりですが、特にこれは一番古く、1978年:私が20歳の学生のときに作ったものです。なんと42年もの。(-。-)y-゜゜゜
当時の日本では欧米のロック・ミュージックが全盛で、エレキギター少年たちはこぞって、3大ギタリスト(Eric Clapton、Jimmy Page 、Jeff Beck)やプログレやハードロック系(Steve HaweやらRichie Blackmoreやら)などの曲を弾いていましたし、日本人アーティストに目を向けるフォーク系のアコギ少年たちは、松山千春とかガロとか・・・(後はよく分からん)
とにかく私のような趣味は異端すぎたらしく、こんな変な曲を一緒に演奏し歌ってくれようなんていう友人はいなかったので、頭の中にずっと仕舞い込んでいたものです。(歌詞も、そんな状況をモチーフにしています)
30歳の頃(90年頃)に一度音にはしましたが、今回、現代のソフトウェアの力を借りて、ようやくほぼ思い通りのアレンジを加え、作品にすることができました。
この曲を作るインスピレーションの元になったのは、実はSANTANA(サンタナ)です。1972年のあの名盤「キャラバンサライ」と翌年の「ウェルカム」が大好きで、その2枚のアルバムの曲をもっと聴きたくて、似たような曲を作ろうと思ったのがきっかけです。(サンタナをやろうなんて言う友人は、もちろんいませんでした)
もちろん、「サンタナらしさ」はほとんど感じられません。もっとマイナーコードも絡めないといけないし、そもそも才能もテクニックも何もかもが違います。軽~いモノマネ程度でした。
音の数が今までで最大
- パーカッション隊は、コンガ・ボンゴ・ティンバレス・クラベス・カウベル・シェイカー・マラカス・ベルツリー・ハンドクラップの9種類。こちらもすべてシンセ音源の打ち込みです。
- ボーカルセクションは、リードボーカル、テーマ部分のコーラス3声、終盤のスキャット2声の合計6声です。例によって、ソフトウェア上で音程の修正をしまくりです。
アレンジとミキシングについて
曲自体は大昔に作ってありアレンジも過去にほとんど決定済みでしたので、早い段階でラフな全体像はできていました。(そのため、つい「年内には完成」と言ってしまったのですが)
11月後半からほぼ1か月半、ボーカル録音(例によって20テイクづつくらい録りました)と音程の修正、各音源の音質(音色)、エフェクト、コンプレッサーとリミッターの調整、ミキシングの左右の定位と音量バランスの調整などに多くの時間を費やしました。
合計22種類の音をコントロールするのはなかなかしんどいものでしたが、その代わりとても楽しい作業でした。
今年一年ありがとうございました。
今年はコロナのおかげで仕事が減り、肩のケガで引きこもり、たっぷり時間ができた結果、年間5曲を完成させることができました。 これは大きな前進!
(完成度についてはまた別の話・・・)
年明け2月には私も63歳になり、いよいよ「特別支給の老齢厚生年金」の対象になります。来年がどうなるのかさっぱり見通しは立ちませんが、今年1年でそれなりにノウハウも身につき作業効率も上がってきましたので、来年も4~5曲程度を目標に頑張って行こうと思います。
このBlogをいつも読みに来ていただき、曲を聴いていただける皆さま、1年間お世話になりました。来年もどうか、お付き合いを宜しくお願い致します。
皆さま良いお年を。
ではまた。
ドクター・バザーズ・オリジナル・サヴァンナ・バンド「シェシェ・ラ・ファム/セ・シ・ボン」/Album「ファースト・アルバム」
D-から始まるアーティストはビッグタレントばかりですが、たまには変わったところもお勧めしましょう。これは1976年に発売された、彼らのデビューアルバムです。
デビューシングルの”I'll Play the Fool”は全米チャート80位に終わりましたが、2曲目の”Cherchez La Femme”(邦題:あの娘を探せ)は27位、アルバムも最高22位、後にゴールドディスクになっています。
メンバーについて
このバンドは1949年生まれのストーニーJrと1歳年下のトーマスのブラウダー兄弟(異母兄弟)を中心に、1974年にニューヨークのブロンクスで5人編成で結成されています。
兄が作曲/ギター/ピアノ、弟が作詞/ベースを分担していますが、その他はVibeとドラム、パーカッションという構成。看板ボーカリストはふわっとした歌い方が魅力のコリン・デイ嬢です。
そしてバックのオーケストラ・アレンジは、フォー・シーズンズの前身であるフォー・ラヴァーズでベーシスト兼アレンジャーだったチャーリー・カレロが、ストーニーと共に担当。
ジャケットのイラストで、鶏のお面をかぶって指揮棒を振っているのはストーニーと言う説もありますが、私はチャーリーではないかと思っています。
ストーニーはイラストでちゃんと顔が描かれていますし、正式メンバーではないチャーリーは顔を出せない。しかしとても重要な部分を担っているので、敬意を表して姿を描いたのではないか・・・と考えますが、どうだったのでしょう。
サバンナ・バンドの音楽
彼らの音楽性はムラート・ミュージックと呼ばれ、1930~40年代のキャブ・キャロウェイあたりのビッグバンドジャズ(キャバレー、ダンスホール系のブラスバンド・ミュージック)に、カリブ海周辺のヒスパニック系の要素とディスコ・サウンドなどをミックスしたもので、全編にトロピカルで「シュガーコーテッド」な、限りない甘さをたっぷりと含んだ、ノスタルジックな「魅惑のポップス」と言えるものです。
私はビッグバンドのスイングJAZZが大好きなので、このバンドも大好きなのです。
そしてこのバンドの音楽性は、私が(勝手に)敬愛する加藤和彦氏も注目していました。
(加藤和彦さんは、フォーク・クルセダースやサディスティック・ミカ・バンドなどで活躍された、日本のPOPSの先駆者として有名な、あの方ですね)
奇しくもサバンナバンドのデビューと同じ1976年、加藤氏がソロで歌ったヒット曲「シンガプーラ」には、既に近い雰囲気を感じますし、78年、加藤氏の作曲で竹内まりやさんが歌ったデビューヒット「戻っておいで私の時間」は、アレンジがもろにパクリなのですね。この曲はサバンナ・バンドのアルバムに入っていても何ら違和感がない状態でした。
私は当時その曲を聴き「加藤和彦氏、やりやがったな」と思ったものです。(当時は敬意もへったくれもありませんでした)きっと、彼らをリスペクトしていたと思います。
お薦めの曲(捨て曲はありません)
M1 I'll Play the Fool
SAXのアドリブからJAZZ曲が始まるのかなと思うと、いきなり古き良きハリウッドのミュージカル映画のようなイントロ・・・すぐにサバンナバンドの世界観に引き込まれます。「楽しい旅路を・・・」とナレーションが入りそう。
M2 Hard Times
映画の主人公の回想シーンが始まるようなイントロ。素敵なアレンジです。名前はハードでも曲調はあくまでもまろやかです。
M3 Cherchez La Femme / C'est Si Bon
前奏が始まるだけでわくわくします。何とも言えない頼りないメロディとボーカル・・・。でもそこがいいんだなあ。後半のビブラフォンもいい感じです。
M4 Sunshower
子供たちの声のコーラスが牧歌的な雰囲気を醸し出していて、心が洗われる気がします。「アフリカの盆踊り」と言った感じのリズムがうれしい一曲。でも裏にJAZZっぽいピアノやハリウッドっぽいストリングスも流れているんです。このミクスチャー感覚! クセになります。
M5 We Got It Made / Night And Day
そして盆踊りは続く・・・「ゴキゲンな」という表現がぴったりな、楽しいリズムです。思わず体が動いてしまいます。これがシングルカットされても良かったんじゃないかな。
M6 You've Got Something / Betcha' The Love Bug Bitcha'
このリズムは・・・ドドンパじゃないか? バックのブラスバンドが、粋で小気味のいい演奏を繰り広げます。幸せな気分になれる曲。
M7 Sour & Sweet / Lemon In The Honey
「戻っておいで私の時間」のバッキングアレンジは、この曲が元になっているのではないかと思います。ちょっとディスコっぽくもあるリズムです。楽しい!
セカンドアルバム
1978年 ”Meets King Penett”
ファーストとほぼ同じ雰囲気で展開します。少しJAZZ寄りかな。こちらもお勧めです。
ちなみに
弟のトーマスは後にオーギュスト・ダーネルと名乗り、キッド・クレオール&ココナッツを結成しています。こちらはサバンナバンドとは違い、音楽性はかなりファンクよりのエネルギッシュなものになっています。
このバンドが、カールスモーキー石井さんの「米米クラブ」に大きな影響を与えたことは有名です。ジェイムス小野田さんの初期の衣装は、「鶏面の指揮者」のイメージからヒントを得ていたような気がします。
サバンナバンドのストーニー氏は2001年に死去されていますが、オーギュスト氏は現在70歳を過ぎても元気そうで、ココナッツは現在もライブを中心に精力的な活動をされているようです。
でも、やっぱりサバンナバンドとは違う音楽です。あの世界観を、どこかで誰か復活させてくれないかな。今の若いミュージシャンに、あの時代の「記憶」を求めても無理なのでしょうが。
ではまた。
エレキギターの故障修理
ちょっと前のことなんですが、今取り組んでいる曲が佳境に入り、エレキのリード部分を録音しようかなと、久々にストラトを出して弾いて見たら、音が出ません。
どうもセレクターがおかしいみたい。そこで修理することにしました。
PICK UPセレクターはもともと3ポジションだったのを、ハーフトーンをやってみたくて、40年くらい前に5ポジションのに変えたんですね。その時見よう見まねで配線をしたので、きっと断線したか、ハンダが天プラだったのでしょう。
さっそくピックガードから外してみました。
あ、やっぱり断線でした。ついでにセレクターも確認しましたが、こちらも接触したりしなかったり。(それにしても仕事が雑だったね)
セレクターの部品を交換しました。
結局弦は張り替えて、元に戻しました。ところが、ノイズがひどい。
いろいろ調べた結果、コントロール部分はおかしくない・・・。あ、もしかして?
裏側の本体アースが外れていました。(写真は治した後です)
ノイズはほぼなくなりました。新しいセレクターも快調。これで作業が進められそうです。
では、何とか年内もう一曲、完成させるべく頑張ります。
ではまた。
ドゥービー・ブラザース「ホワット・ア・フール・ビリーブス」 /Album「ミニット・バイ・ミニット」
さて、Doobie Brothersです。彼らを語る時のキーワードは「ツイン」ですね。
彼らはデビュー時、トム・ジョンストンとパット・シモンズのツインギター(一時期Steely Danからジェフ”スカンク”・バクスターが加入しトリプル・ギターとなったが、後にジョンストンが健康理由で脱退)、ジョン・ハートマンとマイケル・ホザック(のちにキース・ヌードセンと交代)とのツインドラムでスタート。
そしてマイケル・マクドナルド加入後は、シモンズとのツイン・ボーカルとなり、ウェストコーストロックとブルーアイドソウルのツインジャンル(そんな言葉があるかどうか知りませんが)となりました。それぞれの「ツイン」が絶妙に絡み合った音楽性が彼らの魅力です。
彼らの音楽を一言で言うと、前半はギターカッテイング中心でハーモニーを利かせた「青春ロック」、後半はエレピ・サウンド中心の「都会のソウル・ミュージック」と言ったところでしょうか。
私は彼らのアルバムをベスト盤も含め7枚持っていますが、どの時代もどのアルバムも、捨てがたい魅力があります。
その中で最も息長くいつまでも色あせないのが、全米No.1になった”What a Fool Believes”が1978年のグラミー賞Song of the Yearを受賞し、ブルーアイドソウルの金字塔の一つとなった、このアルバムだと思います。(もちろん異論はあると思いますが)
おすすめの曲
M2 What a Fool Believes
マイケルとケニー・ロギンスとの共作。エレピとドラムのリラックスしたリズムで始まるこの曲は、当時多くの「イントロアレンジ・パクリ曲」を生み出しました。イギリスのマット・ビアンコが1991年にカヴァーしています。
何か別のことをしていても、いつの間にかずっと頭の中で反芻してしまう、中毒性のある曲ですね。歌詞は「別れた彼女とまたやり直せる」と信じている愚かな男の話。
M3 Minute By Minute
こちらは恋人と別れようとする男が「刻一刻、離れようとしている・・・」と独白する曲。間奏のシンセサイザーはおそらく、シーケンシャルサーキット社の名機Profitですね。温かみのある懐かしい音!
マイケル・マクドナルド節の一曲。去って行った恋人に「もっとよく目を開いて見てほしかった」と訴える男の独白。ブルーです。
M7 Sweet Feelin’
パット・シモンズがリードボーカルのカントリータッチの曲。ニコレット・ラーソンが、暖かい癒しの声でデュエットしています。
M9 You Never Change
同じくパット・シモンズのリードボーカルに、マイケル・マクドナルドがブルーでソウルフルなコーラスを合わせています。これもついサビのフレーズを口ずさんでしまうナンバー。
他にお薦めのアルバム
1972年 トゥールーズ・ストリート
セカンド・アルバム。Doobiesの名前を一躍世界に知らしめた名曲 M1 “Listen to the Music”(全米11位)とM7 ”Jesus Is Just Alright”(35位)によって、彼らの地位は決定的になりました。世界中のアマチュアバンドが、こぞってこの2曲をコピーしたはずです。(私も学生時代にコーラスしました)
1973年 キャプテン&ミー
引き続きアメリカンロックギター小僧のマストチューン、M2 ”Long TrainRunnin’(全米8位)とM3 ’China Grobe’(15位)が収録されています。スピード感のあるギター・カッティングの「トム・ジョンストン節」がさく裂、ウェストコースト・ロックの真只中でありながらも、南部風味も醸し出す、味のあるアルバムです。
1974年 What Were Once Vices Are Now Habits(邦題:ドゥービー天国)
最初の全米NO.1であるアコースティックなゴスペル・チューンM4 ”Brack Water”を収録。この曲は当時、カリフォルニアの高校の音楽の時間に、コーラスの教材として使われたとか。間奏のアコギとフィドルの掛け合いもスリリングです。
アルバム全体では、アーロ・ガスリーがオートハープを弾いていたり、メンフィス・ホーンズが入っていたりと、バラエティに富んだ構成になっています。
1975年 スタンピード
Jeff Baxterが正式メンバーとして加入しトリプルギターになった、ウェストコースト・ロック時代の頂点のアルバム。
モータウンの作曲チーム:H-D-Hの曲をカバーしたM6 ”Take Me in Your Arms”(邦題:君の腕に抱かれたい・11位)や、ニック・デ・カロのアレンジによりストリングスを大幅に導入し、演奏面で新境地を開いたパット・シモンズの曲M7 ”I Ceat The Hangman”など、聴きどころが満載です。
1976年 Takin' It to the Streets(邦題:ドゥービー・ストリート)
マイケル・マクドナルドが正式加入しての1作目。このアルバムからMinite~までが、ある意味「マイケル・マクドナルド3部作」といったら言い過ぎかな。
しかし彼の加入によりバンド内が化学変化を起こしたのは確かなようで、マイケル以外のメンバーも作風がずいぶん都会的になり、ソウルやR&B、JAZZ的なものに変化しています。
パット+ジェフ・バクスター+ジョン・ハートマン共作のM1 ”Weels of Fortune”(邦題:運命の轍)は名曲。M2 “Takin’it To The Street”(邦題:ドゥービー・ストリート)、M7 “It Keeps You Runnin’”はマイケルのやりたい放題。でも好きだな。
ちなみに次のアルバム1977年の”Livin’ On The Fault Line”(運命の掟)は、ほぼマイケルのソロアルバムと言っていい状況になっていて、バンドとしては低迷期と言えると思います。
でもここでの葛藤が、次のMinute~で花開くのです。
その後のDoobies
彼らは最初にご紹介した1978年のアルバム”Minute By Minute”の後、80年にもう1枚アルバム”One Step Closer”を発表しましたが、その後はソロ活動も増え、82年にフェアウェルツアーを行い解散しました。
1989年には、マイケル・マクドナルドを除いた歴代のメンバーで再結成し、2010年にトム・ジョンストンをフィーチャーして往年のギターロックサウンドの新アルバム”Cycles”を発表。シングル曲”The Docter”もチャートイン(9位)。その後もライブを中心に活動を続けています。
公式サイトによると、今年7月~11月にも50周年記念ツアーを行ったようです。トム、パット、マイケルと、3代目ベーシスト:ジョン・マクフィーをメインにしたメンバーだったとか。
さすがにもはや「懐メロ・アーティスト」であり、過去のメンバーもずいぶん亡くなられていますが、彼らの音楽は現代のアメリカではフォロアーが現れていない、唯一無二のジャンルであると思うだけに、できるだけ長くやっていただきたいものです。
ではまた。
ドナルド・フェイゲン「I.G.Y.」/Album「ザ・ナイトフライ」
さて今回はDonald Fagen先生をお薦めであります。彼は言わずと知れたバンドSteely Danのリーダー/コンポーザー/キーボーディスト/ボーカリストです。
なぜ「先生」と付けたいかと言うと、彼の作った音楽が、同世代から後発のミュージシャンに与えた影響力、そしてポピュラー音楽界全体に与えた歴史的価値が、莫大なものであったからです。
彼はそのバンド活動とソロ活動の両方を通じて、プロ・アマを問わず世界中の多くのミュージシャンやエンジニア、プロデューサー達に多大な影響を与え、またデジタルレコーダーを中心とした音響機器の発展にも革新的な影響を与えました。(と、思います)
1977年、Steely Dan名義のアルバム”Aja”では、アナログレコーダーを駆使してデジタルと聴き違うほどクオリティの高い録音を行い、シングル曲”Peg”も全米11位とヒットし、アルバム収録の“Deacon Blues”も好評価を受けました。(後年、Deacon Blueという名のbandが出てきたくらいです)
80年の“Gaucho”では、アナログのドラム音声をサンプリング録音してコンピュータで鳴らす、いわゆるドラムマシン(サンプラー)を初めて使用。これも全世界に衝撃を与えました。
そして82年に発表したこのソロアルバム”The Nightfly”では、フルデジタルのレコーダーを使用し、音像定位のしっかりとした、よりクリアでタイトな録音手法を確立させました。
ビートルズやサイモン&ガーファンクルの時代、レコーダーはモノラルや4トラックが主流だったため、ミュージシャンたちは悪戦苦闘をしながら多重録音(先に2トラックに録音した音を再生しながら別の音声をミックスして、空いている別の2トラックにダビングするピンポン録音)をして、なんとか楽器やコーラスの数を稼いでいました。その結果、先に録音した音は明らかに音質が劣化し、ステレオの左右のチャンネルのそれぞれの音の定位はカオス状態になってしまいました。
今ではBass音がセンターでドラムがパーツひとつづつ左右に広がって定位しているのが当たり前ですが、当時それは不可能で、ベースとドラムが完全に左右に分かれているレコードもずいぶん存在していました。
その後テクノロジーの進化により、レコーダーも8トラ→16トラ→24トラと進化して来ましたが、彼(彼ら)の音楽が台頭してきたことにより、音響機器のデジタル化が早まったことは間違いありません。
結果としてDonald Fagen先生(≒ Steely Dan)は、彼(彼ら)以降、世界中の音楽の作り方や「音」そのものを変えてしまったミュージシャンと言ってもいいと思います。
Donald Fagenミュージックの魅力
皮肉と風刺に富んだ歌詞、8ビートのロックンロールをベースにしながらもJAZZフレーバー溢れる奇妙なコード進行が進み、時にBluesやFunkの要素も見せながら、その上に都会的で洗練されたメロデイと絶妙のアレンジが乗って行きます。そしてそれらを完璧に表現するために集めた、当代一流のゲスト・スタジオ・ミュージシャン達。
彼らを贅沢にこき使い、ミスのない演奏はもとより、計算しつくされたアレンジの中に、細かいフレーズや超絶技巧のプレイをふんだんに「いい音・いい音色」で盛り込みながら、それらを取りまとめる精密な録音テクニックの結果、決して部分部分が目立つのではなく、あくまでもボーカルをメインに立てる構成でまとめる手腕。まさに極上のPOPSの音空間が展開します。
余談ですが
このアルバムが発売された当時、私はオーディオ販売店に勤めていました。お客さんにシステムコンポやミニコンポ、単品のアンプやスピーカー等の「音質」を聴かせるための視聴盤(LPやカセットテープ)として、始めの頃はAjaを使っていましたが、これ以降はずっとNightflyに切り替えました。
何故ならばこのレコードが、オーディオ機器の再生能力(ボーカルや楽器の定位・音の立ち上がりや余韻、低域の締まり具合など)を聴き分けるのに、当時一番良い音源だったからです。(クラシックやモダン・ジャズ等は別として)
おそらく当時、日本中のステレオ売り場で、新製品発表会で、オーディオ・フェア(死語ですね~)で、”IGY”が流れていたことと思います。
おすすめの曲(このアルバムに捨て曲はありません!)
M1 I.G.Y.
このアルバムは全体が、「1950~60年代のアメリカの地方都市に住んでいた若者の心情」をテーマにしたトータルアルバムとなっていますが、これは1957年の国連「国際地球観測年(International Geophysical Year)」を題材にした曲。
I.G.Y.は、人類初の人口衛星スプートニク号や、バンアレン帯の発見、南極の昭和基地建設など、多くの成果があったプロジェクトとされています。「理想の世界がやってくる」と浮かれることで、実は背後にある漠然とした不安を歌っています。Donald先生のシンセによるハーモニカ音が秀逸。全米26位のヒット。
M2 Green Flower Street
「山の手の住宅街で殺人が起きた」と始まる、ミステリー映画の挿入歌のような、薄暗く怪しい焦燥感のある曲。中国人の若い女性との、その後の事件がどうなるのか気になります。
M4 Maxine
映画の一場面のようなムードのある曲。間奏でマイケル・ブレッカーが吹くTenor Saxが素晴らしい!
M5 New Fronteir
核シェルターの中でのバカ騒ぎを歌う曲(核のボタンは押されていないが)。そう考えると、親の金で調子に乗って騒いでいる若者達に腹が立ってくるのですが、このノリの良いリズムが、だんだんとクセになってしまいます。
M6 The Nightfly
ベルツォーニ山の麓にあるという架空の独立系ラジオ局 ”WAJZ” のDJ:レスター・ザ・ナイトフライが歌う、番組のテーマ曲という設定。(ジャケットの写真に写っているのがDonald演ずるレスターです)タイトなリズム、粋なコード進行、ソウルフルな女性コーラス。何度でもヘビーローテーションしたくなる曲です。
M8 Walk Between The Rain Drops
マイアミのリゾート地での恋愛を歌う、彼にしては珍しく素直な曲。JAZZYなオルガンのスピード感が心地よい一曲です。JAZZボーカルのメル・トーメがカバーしているとか。
他にお薦めのDonald Fagen先生のアルバム
彼はソロとして4枚のアルバムを発表しています。サウンドや音楽性についてはほぼ一貫していて大きな変化はなく、アルバムが出るごとに新しい曲がどんどん増えていく・・・という感じです。
但し聴きようによってはマンネリ化・パターン化した連作とも言えます。
逆に考えれば、それほどSteely Danとして作ったものや、The Nightflyで確立したものの完成度が高かったとも言えると思うのですが、そういう意味では、以降の作品に新しい驚きはあまり感じられないかもしれません。
でも演奏と録音は毎回最高ですし、どれも必ず素晴らしい曲があります。敢えてご紹介しましょう。
1993年 Kamakiriad
蒸気で走り、水耕栽培の野菜畑がついているという、架空の近未来の自動車“カマキリ号”に乗った主人公が、大陸を縦断するというストーリーのアルバムです。
M4 Snowbound
スローな16ビートのハートウォームなメロディ。バックに流れるブラスのアンサンブルが、雪解け水のように清らかで心地よい感触です。
2006年 Morph The Cat(一番のお勧め!)
彼曰く、ソロ3部作の完結編とのこと。完成まで2年をかけた58歳の時の作品。モーフ・ザ・キャットとは、巨大な猫の幽霊のようなものがNYに降りてきて、市民に恍惚を与えて行くという話。トータルとして”The Nightfly”にかなり近い、続編と言っていいアルバムです。
M2 H Gang
Hギャングという名前の架空のバンドの、誕生から解散までを歌った曲。
イントロのBass一発と軽いワウのかかったギターソロで、まずやられます。ミュートしたトランペットのJazzyなオブリガードに、(うわ~いいなー)キュンとしてしまいます。ずっと聴いていたい。これも1曲リピート(ヘビーローテーション)必至の曲です。
Hギャングというのは変わった名前ですが、昔、世界一の名手と言われたセッション・ドラマーのスティーブ・ガッドが、"Gad Gang"というバンドを結成していました。そこから取った名前かなと思います。
M3 What I Do
若い頃の彼とレイ・チャールズの亡霊との会話という内容のブルース調の曲。これはThe Nightflyに入っていてもおかしくないと思います。
M5 The Great Pagoda Of Funn
恋人たちに人生の厳しい現実が待っていることを仄めかしている曲。ムーディーな雰囲気の中、またもやミュート・トランペットがいい味を出しています。
2012年 Sunken Condos
64歳の時に発表した作品。円熟の境地と言うのでしょうか、少しも衰えを感じさせない仕上がりです。(キャッチーな曲は減りましたが)
M2 I’m Not The Same WithoutYou
少し速めのシャッフルナンバー。いつものSynth Harmonicaが聴けて”Donald Fagen節”が堪能できる一曲。
Danald Fagen以後の世界
以上、長々と書いて来ました通り、私は彼の音楽が大好きで、あまり聴いていない方々にはぜひご視聴をお勧めしたいのですが、それと並行して憂いを感じていることがあります。
彼(彼ら)の作った曲や録音技術・手法は、アメリカンPOPSの一つの頂点であり究極と言えるものですが、穿った見方をすれば、「頂上にたどり着いてしまった」とも言えるのではないかと思います。
その後、Steely Danフォロワーと思しきバンドやアーティストも複数出ていますが、残念ながら先生を超えるものは出てきていません。このカテゴリーの音楽や手法は、この先いくら取り組んでも、その先にはもう廃墟しかないのかも・・・。
そしてアメリカのポピュラー音楽界が、現在のようにコンピュータ・ミュージックが蔓延してしまった原因の一端が、ここにあるのかもしれません。
例えばドラムマシンやサンプラーは、その後日本のAKAIやRolandが開発した製品が世界を席巻し、誰もが手軽に使用できるようになった半面、そのサンプルデータに保存された「プロ・ミュージシャンの音」は、テクノロジーのさらなる進化により、誰でも利用できるものになって行きました。
しかし、やがてそのサンプルデータとともに、ミュージシャン自身のプレイする「音源」も更新されないまま、古臭いものになって行きました。
そしてHIP HOP/RAPの流行による、16beatの台頭と8beatの没落。その間、RockやJazzを中心に演奏してきたスタジオ・ミュージシャンやロックバンドは、16beatへの対応をしてこなかった。
それがミュージシャン本人の首を絞めることになり、今はドラムやベースやギターのようなアナログな楽器までもシンセ音源や電子音にとって代わられ、スタジオ・ミュージシャンという存在自体が不用なもの(少なくとも表舞台から消える)になって来たような気がします。
その流れは、Donald先生の音楽が常人には到底到達できない超高度なレベルで完成することによって、他の追随の余地がないものとなってしまったことが、大きな発端となっていると思います。
そしてそれとは別に、彼らの「発明」したものが、一般に広まる経過の中でどんどんマイナーコピーされコモデティ化され、音楽家ではない人までも(たとえば私のようなアマチュアに至るまで)が、音楽を作ることが可能になった。
(そもそも "The Nightfly"では、ドラマーが叩いたリズムのデジタル音声を小節単位で切り貼りしループ再生する技術が、既に取り入れられているのです)
現在のように、クラブDJによるラップバトルといった、はたして「音楽」と言えるかどうかわからないギリギリにまで電子楽器(?)が発展し利用され、その小さな筐体の中で、昔、人間が演奏していた音が、電子化されパターン化されエンドレスにループされている状況は、彼(彼ら)がきっかけで始まったのではないのか・・・。
そう考えると、この作品群は旧時代の音楽の最高到達点であると同時に、それまでの裏方から表舞台に駆り出され華やかなスポットライトを浴び、栄華を誇ったスタジオ・ミュージシャン没落の発端ともなった慰霊碑に近いものなのではないか・・・。
これもFagen先生一流の「皮肉」なのかも知れません。
そんなことを考え複雑な思いに駆られながら、私は今も彼の素晴らしい作品群を聴き続けているのです。
今回も長文で、ちょっと分かりくかったですかね。おつきあい頂きありがとうございました。
ではまた。
You Tube チャンネル7曲目「愛していたい」を公開しました
今回はミディアムテンポのバラードに取り組んでみました。
いつものように、御用とお急ぎのない、暇で暇でどうしようもない方、変なものを見聴きしたがるモノ好きな方、何があっても冷静でいられる方、めったに怒らない気の長い方、耐えて聴いてみていただけますでしょうか。
今回はまた4分台後半の御辛抱となります。よろしくお願い致します。
ボーカルの処理が向上したかな?
以前の曲と比べると「音質の処理テクニックがずいぶん向上したな」と、自分では評価しています。(いや、まだ音の「暴れ」がたくさんあって、決して聴きやすいものではありませんが)
今回のボーカルの処理はこのようにしています。
- 録音時、現有TASCAM(TEAC)のオーディオ・インターフェイス:US366の内蔵ソフトウェアでコンプレッサーをかけておく
- ノイズゲートでブレス音などの余分な雑音を極力カット
- パラEQ(主にプリセットパターン)をかけて、低音域を減らし声の籠りを抑える
- コンプレッサーをかけて音量を平均化する
- 更にエキサイターで音の立ち上がりを良くし
- ディエッサーで「サ行」の歪みを抑え、
- 最後にリミッターで全体の音量を上げつつピークを抑える
というエフェクト掛けまくりの処理を行った結果、だいぶ聴きやすい感じになって来たと思います。(これ以上は「そもそもの声が悪い」という話になるので、改善はかなり難しくなってきます)
今後の課題
- アコースティック・ギターの処理
正確にはエレアコですが、やはりエレアコはしょせんエレアコであって、本来のアコースティックギターとは、似て非なるものですね。ボディのコンパクトさが原因なのでしょうか、音が薄っぺらくチャラチャラした音色になりがちです。近所迷惑を気にして大きな音が出せないため、手がちじこまっているせいかもしれませんが。
現在はライン入力とマイクでの集音とを併用しミックスしていますが、まだまだ研究が足りないことを痛感しています。
- エレピのボイシング(特に左手)問題
まず私は自慢じゃありませんが、音楽教育を受けたことはありません。もちろん小中学校で音楽の授業はありましたが、成績は5段階の2が定位置でした。
名曲鑑賞は好きだったし楽譜の記号(クレッシェンドだのダルセーニョだの)は理解していましたが、算数の頭が無いので調が変わると理解不能となり、楽譜を見て音程を意識することができませんでした。
音楽理論にはまるで興味も沸かず、ドミナントと言われてもマーケティング用語としか思えないし、トニックと言われたら男性用シャンプーを思い浮かべるくらい、コード理論にも疎い状況です。
曲を作る際は楽器を使わず頭の中だけでメロディを考え、一通り進行ができた後で鍵盤に向かい、コードネームを探すやり方をしています。
最近はLogic Pro X君が、「その押さえ方ならコードはB♭だね」と教えてくれるので、とても助かっていますが、そうやってコードネームを確認してコード進行表を作り、そこに歌詞を書き込んで、自分なりの「楽譜」にしています。
こういうところが、そもそもの方法論として間違っているのだろうと思うのですが、これしかやりようがないのが本音のところです。
ピアノのフレーズについては、コードネームからコードブックで正しい抑え方を確認しながら何度も実際にコードを弾き、よりしっくりくる音を探して見よう見まねのボイシングを行っています。
しかし特に左手がどうしようもありません。指が短いのでオクターブが「かろうじて」しか届かず、手が吊りそうになってしまいます。(せいぜい5度を抑えるのが妥当です)
ピアノ、習いに行こうかな・・・。
動画はいつもの pixabay.com からイラストと写真をお借りしています。今回は花の咲き具合や色で「時間の経過(年齢)による変化」を表現してみたつもりです。まあ・・音だけ聴いてくだされば結構です。
いつの間にか、チャンネル登録をして頂いた方が、この文を書いている時点で2名いらっしゃいます。大変うれしいです。誠にありがとうございます。励みになります。
他にも「まあ今後も聴いてやっても良いかな」と思われる方がいらっしゃいましたら、GoodかBadかのマーク(未だにどなたからも、一つもありませんが)とチャンネル登録を、どうぞよろしくお願いいたします。
コロナのおかげで長いような短いような年ですが、おかげ様で今年はここまで4曲を形にすることができました。年内もう1曲、なんとか公開したいなあと思っております。
今後ともよろしくお願い致します。
ではまた。