【訃報】ジェイムス イングラムさん
今後もエンタテインメント界のスターの訃報は続きます。(開き直って続けます)
1980年代に活躍しグラミー賞も受賞した、シンガーソングライターのJames Ingramさんが亡くなられました。
この方は、名プロデューサーのクインシー・ジョーンズに見いだされた歌手で、清涼感のあるテンダーなボーカルスタイルが特徴。数々のデュエット曲で、絶妙のハーモニーも聞かせてくれましたし、クインシーとの共作で、数々の名曲も生み出しています。あの 'We Are The World' にも参加していました。
Just Onceとか、Somewhere Out Thereなんて、何度もリピートして聴いたなあ。安らぎと癒しを感じさせてくれる素晴らしい曲と歌声でした。
マイケル・ジャクソンの「スリラー」に入っていた「PYT」に関しては、「何て新しい感覚の曲だろう」と思って、驚きとともに聴きこんだ記憶があります。
最近のアメリカBilboardでは、こういうメロディアスな曲がすっかり廃れてしまったようで、本当に残念です。いったい何故なんでしょう? 完全にリスナーの世代や人種が変わってしまったんだと思いますが、こういう感覚はもはや不要な時代なのでしょうか? せわしないリズムとメロディの無いラップや、1フレーズの繰り返しの曲ばかり。もっと音楽性豊かな曲が、復活してくれないかな。
ではまた。
昨日のTVの「関ジャム」見ました?
関ジャニ∞が毎週日曜にTV朝日系列で出演している「関ジャム完全燃SHOW」を毎週見ていますが、昨夜はとても興味深かったですね。
今売れっ子の音楽プロデューサーさん達が、それぞれ昨年の年間ベスト10を発表していました。そのリストがこれ!
私が知ってるアーティストなんて、ベテラン+海外ばかりでやっと10組くらい。大半が新人さんなんですかね。今まで聞いたことがない感性の曲ばかりです。
歌詞・メロディ・コード進行・リズム・アレンジなど、すべての部分によく練られたアイデアがたくさん詰まっていて、どれも素晴らしい良い曲ばかりです。そしてVocalist も Playerも、それぞれとっても魅力的。ほんとにすごい。
うすうす感づいてはいたけど、いま日本のPOPアーティストはものすごくレベルが上がっていてビックリです。やっぱりとっくに欧米を追い抜いていたんですね。これじゃ日本の若者が洋楽を聴かなくなるわけだ。
こんなリストを見ると、年末のTVの「レコード大賞」とか「紅白歌合戦」とか、いったい何だったんだろうと思いますね。あれは歌番組の形をした「芸能事務所対抗アイドル品評会」でしかないように思います。いろんな意味で残念。
こんなベストテンが毎週出て来るヒットチャート番組、やってくれないかなー。
ではまた。
BASS録音中です
なんだか最近、ここは「アーティスト訃報ブログ」みたいになってますね。思い入れの強い人たちの訃報が続いたためついつい書き込んでしまいましたが、本来のソングライター活動もちゃんとやっています。ここ最近はデモ音源作りの一環で、BASSパートの録音に努めています。
私が愛用しているBASSはAria ProⅡのものでして、30年近く前、東京・吉祥寺の「新星堂Rock inn」で中古で買ったものです(もうお店はないみたいです)。モデル名も良く判りません。
ヘビメタ系のシェイプですが、ヘッドやペグが小さいため重心が後ろにあり、ロングスケールなのにコンパクトで、ボディも薄めのため軽く持ちやすく弾きやすい。1ボリューム1トーンですがピックアップが2種類あって切り替えもでき、実は音色のバリエーションが豊富です。
音色そのものは全体にあまりゴリゴリのヘビメタっぽくはない、むしろ軽快でPOPなサウンドという感じで、自分の志向には合ってるかな。
・・・というわけで、言ってみれば「見た目はちょっと不良っぽいけど、意外とネアカで堅実な家柄の生まれ」みたいな感じで気に入っています。フレット音痴でもないし、今のところ特に買い換える必要性も感じず(お金の余裕もないし)、ずっと使っています。
以前、楽器(パート)を録音する順番を書きまして、BASSは10分の5番目に録音することが多いのですが、BASSが入ると途端にリズムが締まるので、アレンジに芯ができますね。すると、それまでの印象が結構変わってしまい、曲の進行を一からやり直したくなります。それで時間がどんどん過ぎて行きます。
まぁその堂々巡りが楽しいんですけどね・・・。でも過去に、ひどい時は1曲に1年以上かけたこともありまして、今はそんなことをやっているとボケ老人になってしまうので、早く完成させなければいけません。
ひきつづき頑張って参ります。
ではまた。
今度は、歌手・声優の天地総子さんが亡くなられました( 東映動画とアニメーションの「動き」について)
先日、藤田淑子さんの訃報を聴いたばかりですが、今度はCMソングの女王として、声優として有名だった天地総子さんが亡くなられたそうです。平成と言う時代は、つくづく「昭和」が終わってゆく時代なんだなあ・・・と思いますね。享年78歳だそうで、本当に残念です。ご冥福をお祈りいたします。
初めて天地さんの歌声を聴いたのは、TBSラジオで聴いた「子供電話相談室」のテーマ曲でした。兄が応募した相談が取り上げられ放送されるとのことで、家で聴いていました。
私にとって印象深い天地さんの出演作は、やはり藤田淑子さん同様、東映動画の「どうぶつ宝島」のヒロイン、キャシーの声です。
左がキャシー。右は主人公の男の子・ジム:声は松島みのりさん。当時の女性声優で1・2を争う二人の、2度とない夢のような奇跡の競演でした。
お二人は確か同年代だったと思いますが、松島さんにはまだまだ長生きしていただきたいものです。
東映動画とアニメーションの「動き」について
さて、どうぶつ宝島は1971年の作品です。当時私は中学1年生。実家の近くにあった東京新宿・神楽坂の「武蔵野館」という映画館に見に行きました。小学生以下が子供料金、中学生以上が大人料金で400円くらいだったかな。飯田橋の名画座「佳作座」が120円くらいでしたから、そんなもんでしょう。(ラーメン一杯60円とか80円とかの時代です)
私は窓口で「大人1枚」と言うとチケット販売の女性(おばさん)から、「いいんですか?漫画ですよ?」と聞かれましたが、私は「いいんです!」と言って入場券を買って入場しました(老け顔だったのかな)。入れ替えなしだったので、朝から夕方まで3回も見て、更に翌週も行き、都合6回もスクリーンで見てしまいました。
詳しい内容はレーザーディスクの解説に譲りますが、東映動画20周年記念と銘打ち、宮崎駿さんが中心になって企画や原画に参加し、作画監督が森 康二さん。主人公以外の声優陣もしっかりした力量の方ばかりで、良いものができないはずがない布陣です。
これは、東映動画オリジナル長編漫画映画の集大成と言っていい、本当に素晴らしい作品だと思います。特筆すべきはアニメーション=動画としてのキャラクターの「動き」です。かなり頑張ってフルアニメーションに近い動きを出しています。
フル・アニメーションとは、フィルムの1秒間を24コマで撮るということ。これは通常の実写の映画と同じコマ数で、動きがとても滑らかになります(ディズニーの昔のアニメーションはすべてこれです)。ところが手塚治虫さんの虫プロで鉄腕アトムを毎週放送するにあたり、1秒間を17コマ程度に間引きするリミテッド・アニメを発明してしまいました。
更に、さいとうたかおさんの「ゴルゴ13」のTVアニメ化の際、絵が一切動かずカメラワークだけで動いているように見せた「紙芝居」手法が開発されるに至り、今日放送されるアニメはほとんどがこのリミテッド+紙芝居という、動きの少ない手法で作られるようになってしまいました。
その方向性に、正に大きく舵を切ったのは、私は「宇宙戦艦ヤマト」の劇場版第1作(1977年)ではないかと考えています。あれがヒットしたおかげで、「あの程度の動きでも許容される」という暗黙の認知が確立したものと思います。
私は当時大学生で、有楽町まで見に行きましたが、海底に沈んでいたヤマトが泥の中から浮かび上がり、反転浮上して行くシーンを見て、そのあまりの動きの悪さに幻滅してしまい、それ以降アニメから遠ざかることになりました。私にはこの体験と記憶があるので、これ以降の日本のアニメーションがどうも水準の低いものに感じられてしまいます。
ですから、私にとってはガンダムもエヴァも、ファンの方には本当に申し訳ないのですが、見るに耐えうるものではありません。
私を再び劇場アニメーションの世界へ引き戻してくれたのは、「風の谷のナウシカ」=宮崎駿さんでした。冒頭のオームの動き一発でやられましたね。「(東映動画の経験のある)宮崎さんだけは、こういうことをちゃんとやってくれる!」うれしかったです。
だいぶ話が飛んでしまいましたね。ではまた。
声優の藤田淑子さんが亡くなられました。ファンだったのでショックです・・・。
引き続き音楽の話とちょっとズレますが、アニメ・声優グループを見ても一人も藤田さんの訃報に触れているブロガーがいませんでした。ということは、全然世代が違うのかな。YouTubeには訃報に関連した動画がいっぱいありますが、こちらは追悼と言うより広告収入狙いの方が多いようで・・・。と言うわけで、「歌手」のくくりでコメントを書かせてもらいます。藤田さんは歌がうまかった!
ご本人は声優と言うより俳優さんでしたが、舞台を中心にされていたようでほとんどTVで見ることはなく(青二プロはだいたいそうですね)私にとって「幻の」あこがれの人でした。私がファンだったのはひとえに藤田さんの声が好きだったからです。
初めてその声に触れたのは昭和43年、小学校4年生の時。東映動画のオリジナル長編漫画映画「アンデルセン物語」でした。(当時は「アニメ」なんて言いません)
これはアンデルセンの童話の一つではなく、作家アンデルセンの子供時代をモチーフにしたお話(史実に題材を取っているが、基本はフィクション)です。ミュージカル仕立てになっており、随所に彼が書いた作品の場面や登場人物が出て来る構成で、自然と物語を読むことに興味を持たせる仕掛けになっていました。
映画は小学校の講堂で行われた映画鑑賞会で見たのですが、活発な男の子が喜びそうなカッコいい場面は全く出てきませんから、同級生の男子の大半は退屈そうにしていました。でも私はいっぺんで主人公ハンスの声に魅了されてしまいました。「なんて美しい声の人なんだろう。」それが藤田さんでした。
アンデルセン物語の翌年、東映動画は単独の漫画映画ではなく、TVアニメ数本とカプリングした「東映まんがまつり」という形で長編アニメを継続します。その「まんがまつり」第一回が「長靴を履いた猫」。ここでも藤田さんは準主役の少年ピエールの声で出演されます。私は映画館でワクワクしながら見ていたと思います。
ちなみに、この「長靴を履いた猫」は、脚本が井上ひさしさんであり、若き日の宮崎駿さんも作画スタッフとして参加しています。アテレコには小池朝雄さんや益田キートンさんなどもいて、子供向けではありますがしっかり作られた作品です。
その後、藤田さんは劇場向け作品には出なくなりましたが、代わりにTVの仕事が多くなりました。
印象的だったのは手塚治虫さんの虫プロ制作による「どろろ」ですね。主題歌が独特で、大半はどろろがふざけて言っていると思われる歌詞なのですが(いわゆるアニメ声の元祖かも)サビの部分ではそのふざけた調子が真面目になるとともに、藤田さんの歌い方も本来の美声に戻り(エコーも多めにかけられ)、時代の運命に翻弄される侍達やどろろと百鬼丸の悲しみ苦しみが切々と歌い上げられています。
それは本当は美しく可愛い女の子であるどろろが、戦乱の世の中を生き抜くためにガサツな男の子になりすましているが、ふとした時に本来の姿になる境遇と、藤田さんが与えられた仕事のために、本来の美声を殺して汚れた声を出していることとイメージがダブり、なんだか可哀想な気がしてジーンとしながら聴いていました。
作曲は冨田勲。のちにアナログ・シンセサイザー勃興期の第一人者となる「世界のトミタ」です。
もうひとつ、藤田さんの歌で有名なのは「ムーミン」の主題歌ですね。これも虫プロですが、監督が名匠・りんたろうさん。
その後は、「一休さん」や「キテレツ君」その他、精力的にお仕事をされ絶大な人気声優となります。
考えてみると藤田さんは「アンデルセン」の当時18歳だったんですね。私の8歳上のお姉さんでした。共演者を見ると、高島忠雄、杉山佳寿子、藤村有弘、玉川良一、三波伸介など、いずれも芸達者な人たちばかりです。彼らも当時は若かったと思うけど、その中に混じって18歳の藤田さんが、声だけとはいえ初主演していたのは、さぞ初々しかっただろうなと勝手に想像してしまいます。
藤田さんの顔を拝見したのはそれから何年もたってからですが、当時私は子供心に顔も知らない美しい声のお姉さんに、初恋をしていたのかもしれません。
NHKの朝ドラなんかで藤田さんをヒロインにして、アニメ黎明期のドラマをやってくれないかな。
ご冥福をお祈りいたします。
ではまた
年末最後のお楽しみ:もう一度「よしもと新喜劇」を見てきました
またまた「よしもと新喜劇」を見てきました。今回は大阪ではなく東京銀座・中央会館「銀座ブロッサム」を花月劇場に見立てた出張公演「東京グランド花月」とのことで、行ってまいりました。今回は2階席の最前列! 少し遠いけど舞台の全体が見渡せて、なかなか良かったです。
そして今回の座長は辻本茂雄さん。東京のTVでは土曜日昼のNHK「生活笑百科」で見られる程度ですが、関西では絶大な人気。その辻本さんのキャラクター「茂じい」が暴れまくるお話です。
前説:ダイヤモンド
出し物の前なら写真OKとのことで、撮ってきました。ピンボケですみません。
落ち着いていて、明るく溌剌としたイケメン。リズムがあって間が良くて、おもしろいです。「前説 ダイヤモンド おもしろい でエゴサーチしますのでよろしく」とのことでした。
さて舞台は例によって漫才からのスタートです。
ミキ:
いきなり若手の人気者の登場。二人で両手を挙げて、スーツの上着がお兄ちゃんのお腹に止まってしまうのを手で下すギャグですが、兄弟だからなのか散々けいこをしているからなのか、タイミングがぴったりです。セリフも聞きやすく分かりやすい、若手なのに安心して見られるコンビです。
ゆりあんレトリィバァ:
こちらもTVの人気者。出てくるや、女性客から「かわいい」の声が。ホントかわいいし、芸達者で面白かった。あの女性芸人コンテスト「The W」の出し物はなんだったんでしょう?
スーパーマラドーナ:
こちらも話題のコンビ。さっそく「いろいろと・・・すいませんでしたっ」からスタートし、自虐ギャグを交えながらひととおり謝罪の言葉を述べ、上手から下手へと何回も頭を下げてから本題を開始。こちらの見方が影響してるのか、なんとなくボケの田中君の態度が前より大きくなり、ツッコミの武智君が弱まった感じ。まあしょうがないかな。
ロバート:
TVで出て来る売れっ子がどんどん出てきます。地方のクセの強いCM歌手兄弟をテーマにしたコント。「いかにも地方にいそうな人達」と「いかにもありそうなローカルCM」の感じをうまく出しています。新時代のコテコテと言うんでしょうか。独特です。最後はお約束の「梅宮 辰夫」で大喝采です。
野性爆弾:
TVではくっきー単独で見る機会が多く、ロッシーとのコンビは初めて見たかもしれません。でも相変わらずナンセンスでシュールで、やっぱり最後は後味の悪い(でもそこが癖になる)コントでした。
タカアンドトシ:
タカさんも痩せたけど、トシさんが思った以上にスリムでカッコいいです。もうすっかりベテランなのに、たたみかけるマシンガントークは健在です。
オール阪神・巨人:
舞台袖に名前の文字が出ると、会場全体が「おー」とうなります。トリとは言えこんな大師匠が出てくれるとは、感激です。いつものネタでストーリーを追う展開ではなく、細かい話をつないだフリートーク的な出し物です。途中とろマラ事件の話も入るし会場のお客さんのイジリもあるし、まさに緩急自在。そして巨人さんの声も身のこなしも若々しい! 阪神さんの巨人さんのモノマネが秀逸でしたー。いつもの悪乗りも全開。「話芸」とはこのことです。充実感でいっぱいです。
新喜劇:「茂造のハッピークリスマス」:
お目当ての辻本座長、クリスマスのデコレーションをまとった自転車で、舞台奥からセットを突き破ってのサプライズ登場です。いつも通り今日も「アドリブ祭り」とのこと。そうは言っても基本的には台本通りなのだろうと思いますが、それでもギャグのどこまでが台本でどこからアドリブなのか、探りながら見るのもとても面白いですね。
一番見たかった「水玉れっぷう隊」のアキさん。身のこなしがシャープ、態度が変、そしてギャグが可笑しい(「いいよ~」「アンケート取らなきゃ分からない」とか)。間の取り方も絶妙です。
森田展義さんのギャグとボケ、どんどんクオリティが上がってきました。平山昌雄さん、デクノボーぶりがだんだん板について来ました。
大島和久君、イケメンでスリムでカッコいいです。考えてみたら他の座長の時の出演者も含め、彼だけがイジラレず、ほとんどギャグもやらず(唯一やったのは「何てこったパンナコッタ」だけ)ひたすらツッコミ専門。でもそれがきっかけで大爆笑。これも考えたらスゴイかも。
そして五十嵐サキさん!体重は98kgとのこと。今回はなんとDA PUMPの「U.S.A.」をBGMにダンスを披露!。曲が終わるとくたびれて、アザラシのように舞台に寝そべってしまいます。しかも何度もやらされるうちにリズムについていけなくなり、手も足も上がらなくなり、最後は阿波踊りみたいになってしまうところが、あまりにも可笑しくて、また腹と頬がいたくなり死にそうです。あーサキさんの水着写真集、出ないかな。
ストーリーの最後は、もりすけさんのカツラネタで爆笑のうちに終了。生真面目で一所懸命な感じがいいですね。大満足の幕でした。やっぱり面白かったー。「年忘れ」とはこういうことを言うんですね。もう新喜劇病みつきです。ありがとうございました。
帰りの地下鉄で妻と確認しました。「また行こうね」
おかげさまで家庭円満です。
ではまた。
子守歌に何を聴きますか? ②ALBUM ”A Capella” The Singers Unlimited
私が子守歌として使う=眠るときに聴く音楽には、いくつかのパターンがあります。基本として必要なのは、その曲に集中することによって頭の回転を止め(邪念を捨て)興奮を抑えて落ち着くことができ、それによって自然に睡眠に入れるものです。
そのためには、いいメロディであることはもちろん、落ち着いた曲調と構成があり、更にハーモニーやフレーズなどに「職人技」があって、聞き入ることができること。そんな曲やアーティストを探して「子守歌」にしています。
今回ご紹介したいのはThe Singers Unlimited のアルバム”A Capella”です
これは1974年の発売。詳しいことはラーナーノーツを読んでいただくとして、このアルバムすべてが素晴らしいのですが、特に子守歌としてお勧めしたいのが2曲目のLondon by night ・・・うっとりして、嫌なことを思い出すこともなくすぐ安眠できます。
さて、Singers Unlimitedは70~80年代に活躍し、14枚のアルバムを残しました。多重録音での完璧なハーモニー作りにこだわり、一切ライブを行わなかったそうです。女性メンバーのBonie Harmanは、POPS界で言えばKalen CarpenterやRickie Lee Jonesと似た、稀有な声質の持ち主でしたね。
写真のとおり、私は彼らのアルバムを9枚所有しています。CDはA Capellaと76年のFeeling Freeの2枚(すべて宝物です)。本当はすべて集めたかったけど、今はAmazonでも在庫薄だし、ほとんどが廃盤です。
こんなに素晴らしいものが、もう手に入らないなんて、たまらなく残念です。またCD-BOXセットでもいいから出してくれないかな。
子守歌ではなくしっかり聴きたいときは、ドイツレーベルのLPレコード(すべて国内版ですが)を、OrtfonやSHUREのカートリッジで聴きます。こういうアナログ音(人の声)は、アナログのシステムで聴かないとね。
【ここからは脱線です】
ところで、以前日本でもアカペラ・ブームみたいなものがあったようですが、こういう音楽を聞かせてくれる後継者は今もいるのでしょうか?いるとしても、取り上げてくれるところがないですよね。自分で検索して探さなければなりませんが、見つかりませんね。
昔はFMラジオが様々な音楽をかけてくれたものですが、今やFMはすっかり「音のいいAM」でしかありません。しゃべりが多すぎて曲をかけないし、かけてもDJスタイルばかりで落ち着いてじっくりかけてくれないし、結局売れ線しか流さないし、なんだかCMと番組や局のジングルを流すのだけが目的であって、音楽ファンを育てようという気もないみたいに思えます。
若者が洋楽(音楽性としてJAZZ,R&B,C&W,BLUES,ROCK)を聴かなくなったのは、日本のアーティストのクオリティが上がったこともありますが、HipHop/Rapの台頭(=メロディが無いしSlungばかりで何を言ってるかわからない)、音楽マスコミの衰退(=編集者の世代交代が進まず、自分たちが若い頃のアーティストばかり特集している)に原因があるのではと思います。
ではまた。