ダリル・ホール「パワー・オブ・セダクション」/Album「ソウル・アローン」
さて、D-のINDEXに行きましょう。最初にお勧めしたいのは、ダリル・ホール兄さんです。
ダリル・ホールさんと言えば、70年代後半から80年代にかけて一世を風靡し「史上最も売れたPOPデュオ」と言われた“HALL & OATES(ホール&オーツ)”の、ハイトーン担当の方ですね。
彼はH&Oでの活動とは別にソロアルバムを5枚発表していますが、これはその中の3枚目、1993年に発売された、とにかくカッコいいソウル・アルバムです。
彼は1946年(昭和21年)、アメリカ・ペンシルベニア州のポッツタウンという小都市に生まれました。成長し入学したフィラデルフィア市の州立テンプル大学でジョン・オーツと出会い、コンビを結成。
デュオとしてデビューする前からソウルミュージックの現場で、ギターやピアノ、バックコーラスなどのスタジオミュージシャンとして活動を始めています。
(その後のH&Oでの活動については次回)
このアルバムで、彼はソロとしてEpicに移籍。UKのソウル・グループ、ザ・チャイムスのベーシスト、マイケル・ピーデンがプロデュースを担当。
また曲づくりやバックコーラス、ベースなどに、アベレイジ・ホワイト・バンドのリーダーだったアラン・ゴーリーが参加し、H&Oにはないサウンドを提供しています。
しかし基本の部分では、長年のビジネス・パートナーであるサラ・アレンやサラの妹ジャンナも作詞に参加し、バッキングの演奏面は、H&OバンドのT-ボーン・ウォルク(Bs、G)やチャーリー・デシャント(Sax)が固めています。
そんなベーシックな部分と新しい試みとが共存し、新境地を開いた「H&Oファンが皆待っていた」アルバムであり、彼自身の音楽的ルーツであるファイラデルフィア・ソウルへの熱い思いが、ぎっしり詰め込まれたアルバムです。
お勧めの曲
捨て曲なし。全曲お勧めです!
M1 Power of Seduction
とってもクール! 真夏にピッタリの涼しげな曲です。
M4 I’m in a Philly Mood
そのものずばりの、フィラデルフィア賛歌です。
M5 Borderline
ぞくぞくするベースライン、これぞフィリーソウルといった曲。
M6 Stop Loving me,Stop loving you,
これはマーヴィン・ゲイのカバー。たまらなくスイート。
M8 Send Me
M9 Wildfire
この2曲も、本当に素敵です。
他にお勧めのアルバム
1996年に発売された、 “Can’t Stop Dreaming”です。
95年に、それまで活動を休止していたH&Oでの再結成ツアーがあり、その勢いのまま作られたと思しきこちらのアルバムでは、またレーベルをBMGに移籍し、マイケル・ピーデンとアラン・ゴーリー以外のメンバーを一新して制作されています。
内容については、「一人ソウル」の続編と言って良いと思いますが、前回がひたすらクールな印象だったのに比べ、少し温かみの加わった曲調・サウンドになっています。
言ってみれば、前回が冷凍庫で今回が冷蔵庫、という違いみたいな・・・(かえって分かりくいですかね・・・?)
でも本当に、今年の夏の記録的な猛暑の時期に聴くにはぴったりではないかな。ボディも頭もハートも、クールダウンしてくれる、でも最後にちゃんとハートウォームしてくれるアルバムです。お勧めですよ。
ではまた。