クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル「サムディ・ネバー・カムズ」
C-から始まる名前のアーティストとして、私の年代ではどうしても忘れられないCCR(クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル)をお勧めしておきましょう。
彼らは1968年に、トムとジョンのフォガティ兄弟を中心にした4人組のギターバンドとしてデビュー。サイケデリックなイメージのブルースロック“Susie Q(スージーQ)がいきなり全米11位、ゴールドディスクとなるヒットとなり、その後5年間、19曲をチャートに送り込む常連となって活動を続けました。
CCRの音楽性
その音楽性は、ニューオーリンズの匂いのするようなブルースやカントリー&ウエスタン、ロカビリー、R&Bなどのルーツ・ミュージックに根差していました。しかし彼らの最大の特徴は、それらルーツの濃厚な香りを残しながらも、分かりやすいメロディと短めの時間軸でのシンプルな曲作りに尽きると思います。
ほとんどが弟のジョン・フォガティの作曲・ボーカル・リードギターによるものだったのですが、それは当時のアメリカの若者達だけでなく、ロックを聴き始めたばかりの日本の少年たちにも、親しみやすく聴きやすいものでした。
私も高校生~大学生時代、Proud Mary(プラウド・メアリー)やHave You Ever Seen The Rain(雨を見たかい?)など、アマチュアバンドの練習曲として、ずいぶん使わせてもらいましたね。
アルバムを買うなら・・・
今私が持っているのは2008年に発売されたグレイテストヒッツですが、20曲入ったお徳用にもかかわらず、合計の演奏時間は68分、1曲平均3分24秒しかありません。
最大のヒットである’Proud Mary’が3分07秒、続いて同じく全米2位になった’Bad Moon Rising’に至っては、2分18秒しかありません。普通のアルバムを買うと30分以内で全曲終わってしまうので、とてもコスパが悪い!
そして正直に言えば、アルバムごとのトータルコンセプト性はほとんどないので、今聞こうと思うなら、ベスト盤のほうが良いと思います。
一番のお勧め曲
なお私としては、彼らの一番の曲は、彼らの解散前の最後のシングルとなった名曲、‘Someday Never Comes’です。
彼らには珍しく3分57秒もあるこの曲で、ジョンは、自分の親の離婚や自分自身の離婚体験をもとに、子供に対するメッセージとして次のように歌っています。
「父さんは、お前もいつか大人になればわかるさって言ってたけど、いつか(Someday)きっと・・・なんて思っているだけじゃ来やしない(never comes)。早いうち・若いうちにやるべきなんだ」
余談ですが
このシングル盤は昭和47年(1972年)10月に入手しました。
当時中学生の私は修学旅行で行った京都・大徳寺大仙院の尾関宗圓和尚の講話「今やらずにいつやる!」を実際に聴いた後だったので、「ああ、ジョン・フォガティも同じことを言っている・・・」と気づき、しみじみ聞いていた覚えがあります。最近で言うなら、予備校講師の林先生の「今でしょ」と似たメッセージですね。
中学時代からそう思って生きてきたものの、その時その時で結局「今やるべき事」に追われ、やっぱり「いつかきっと」と思っていることはなかなかできないまま、現在に至ってしまいましたね。若い方々、気を付けましょう。
ではまた。