★Kenro Songs/旅と料理と音楽と

前期高齢者となった元・正社員サラリーマン(現在はパートタイム契約社員)は、旅と料理と好きな音楽の話と、オリジナル曲の制作で余生を過ごすのです。

ブレッド「ギターマン」

B-から始まる「推し」アーティスト。4組目は69年~77年まで活躍した Bread です。

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このCDは1985年に発売されたAnthorogyです。20曲入りでオトク。

 1969年のデビュー曲:Dismal Day(灰色の朝)こそヒットに恵まれませんでしたが、70年のセカンドシングル Make It With You(二人の架け橋)が、前週まで4週連続1位だったカーペンターズの「遥かなる影」を抜いてビルボード1位となり大ブレイク。その後72年までの3年間、ヒットチャートの常連となって、たくさんの素晴らしい曲を発表してくれました。

 当時小学校6年~中学2年生だった私が、毎日ラジオにかじりついて聴いていた、大好きなバンドの一組です。

 お勧めの曲としては、現在イージーリスニングのスタンダードナンバーとなっている If(イフ) や Diary(ダイアリー) もありますが、私の中でのNo.1は、何と言っても72年に11位まで登った The Guitar Man(ギターマン) です。私が、「バンドをやりたい!」と思った、きっかけになった曲でもあります(この部分は、曲のプレミア感には一切つながりませんね)

 

 歌詞は凄腕のギタープレイヤーを讃える内容で、若い頃に交流のあったレオン・ラッセルの Superstar に似たモチーフですが、レオンのようなブルース的ストーリー要素は無く、サラリとしたもの。メロディやサウンドが良いわりにもう一つチャート上位に食い込めなかったのは、そのせいかもしれません。

 曲調はその名の通り、バックをストリングスで支えたPOPSの王道的構成をベースに、ギター(エレキ×2 アコギ×1)を前面に押し出したものですが、エレキはがちゃがちゃと歪んだものではなく、ノイズを抑えたクリーンサウンドが主体。

 全体としても、洗練された落ち着きと深み、ハーモニー重視のサウンドで、maj7コードとストリングスの活用で甘く切なく幻想的なアレンジになっています。デビッドの物憂げで甘いボーカルと共に、3本のギターの粋なテクニックの掛け合いが楽しめる曲調で、聴き惚れてしまいます。

 

 その他のお勧めとしては、全米3位の Baby I'm-A Want You (愛の分かれ道)、Sweet Surrender(スイートサレンダー)、そしてPOPS史上最高のバラード(と私は思っている)Aubrey (オーブレー)等があります。ひたすら甘い。あま~~い!

 

 このバンドはもともとスタジオミュージシャン同士で結成されたもので、全員が作詞作曲・編曲ができ楽器もマルチプレイヤーで、プロデュースまでこなせる職人グループでした。メンバーはデヴィッド・ゲイツ(V.G.)、ジェイムズ・グリフィン(V.G.)ロブ・ロイヤー(V,B,)マイク・ボッツ(Dr.)。後半に、ザ・バーズの「Mr.タンブリンマン」やS&G「明日に架ける橋」でピアノを弾いたラリー・ネクテル(Key.)も参加しています。

 しかしその中でも突出していたのは、リーダーのデヴィッド・ゲイツ。私が一番尊敬するコンポーザーです。彼はバンド解散後もソロでヒットを飛ばしており、ウディ・アレンの映画「グッバイガール」でも主題歌を歌っています(77年・全米15位)。

 他のメンバーは2000年代に亡くなられていますが、彼のみご存命。現在80歳。

 

 先にあげた曲のほとんどは彼の作詞・作曲・歌唱によるもので、完璧と言っていいアレンジやハーモニーと相まって、何度聞いても飽きない「永遠のポップス」を聞かせてくれます。こんな曲を作るのが、私の「一生の、見果てぬ夢」かな。

 

ではまた。