子守歌に何を聴きますか? ②ALBUM ”A Capella” The Singers Unlimited
私が子守歌として使う=眠るときに聴く音楽には、いくつかのパターンがあります。基本として必要なのは、その曲に集中することによって頭の回転を止め(邪念を捨て)興奮を抑えて落ち着くことができ、それによって自然に睡眠に入れるものです。
そのためには、いいメロディであることはもちろん、落ち着いた曲調と構成があり、更にハーモニーやフレーズなどに「職人技」があって、聞き入ることができること。そんな曲やアーティストを探して「子守歌」にしています。
今回ご紹介したいのはThe Singers Unlimited のアルバム”A Capella”です
これは1974年の発売。詳しいことはラーナーノーツを読んでいただくとして、このアルバムすべてが素晴らしいのですが、特に子守歌としてお勧めしたいのが2曲目のLondon by night ・・・うっとりして、嫌なことを思い出すこともなくすぐ安眠できます。
さて、Singers Unlimitedは70~80年代に活躍し、14枚のアルバムを残しました。多重録音での完璧なハーモニー作りにこだわり、一切ライブを行わなかったそうです。女性メンバーのBonie Harmanは、POPS界で言えばKalen CarpenterやRickie Lee Jonesと似た、稀有な声質の持ち主でしたね。
写真のとおり、私は彼らのアルバムを9枚所有しています。CDはA Capellaと76年のFeeling Freeの2枚(すべて宝物です)。本当はすべて集めたかったけど、今はAmazonでも在庫薄だし、ほとんどが廃盤です。
こんなに素晴らしいものが、もう手に入らないなんて、たまらなく残念です。またCD-BOXセットでもいいから出してくれないかな。
子守歌ではなくしっかり聴きたいときは、ドイツレーベルのLPレコード(すべて国内版ですが)を、OrtfonやSHUREのカートリッジで聴きます。こういうアナログ音(人の声)は、アナログのシステムで聴かないとね。
【ここからは脱線です】
ところで、以前日本でもアカペラ・ブームみたいなものがあったようですが、こういう音楽を聞かせてくれる後継者は今もいるのでしょうか?いるとしても、取り上げてくれるところがないですよね。自分で検索して探さなければなりませんが、見つかりませんね。
昔はFMラジオが様々な音楽をかけてくれたものですが、今やFMはすっかり「音のいいAM」でしかありません。しゃべりが多すぎて曲をかけないし、かけてもDJスタイルばかりで落ち着いてじっくりかけてくれないし、結局売れ線しか流さないし、なんだかCMと番組や局のジングルを流すのだけが目的であって、音楽ファンを育てようという気もないみたいに思えます。
若者が洋楽(音楽性としてJAZZ,R&B,C&W,BLUES,ROCK)を聴かなくなったのは、日本のアーティストのクオリティが上がったこともありますが、HipHop/Rapの台頭(=メロディが無いしSlungばかりで何を言ってるかわからない)、音楽マスコミの衰退(=編集者の世代交代が進まず、自分たちが若い頃のアーティストばかり特集している)に原因があるのではと思います。
ではまた。
御視聴御礼申し上げます
いつもご覧いただきありがとうございます。
このたび12月12日に作品をYouTubeに登録しまして、17日の深夜現在、視聴回数が60回を超えました。
お聴きいただいた皆さま、本当にありがとうございました。
今回初めて登録しましたが、やってみると結構難しいものですね。
当初Macからアップした時は判らなかったんですが、Macと家内のi Phoneでは問題なく聴こえて、「良い音でできたなあ」とのほほんとしていたのですが、いざWindows(8.1)で再生すると、妙に音がつぶれて籠った音になっています。正直、こんなに強力にCompがかかるとは思っていませんでした。
とりあえず音量を下げた"Take2"を並べてアップしてみました。少し改善したように思います。
それにしても、ミックスダウンはやっぱり難しいですね。
昔、TEACの238というカセットテープMTRや、その後RolandのVS880/1680(HDDのMTR)でやっていたときは、メデイアのせいだかヘッドアンプのせいだかナチュラルに音がつぶれて、適当にLimitterがかかっていたようですが、今回完全デジタルになったおかげで、CompもLimitterもちゃんと設定しないと良い感じにならないのでしょうか。あたり前か。
住宅事情もあって、あんまりスピーカーでモニターしていないので、ちゃんとしたバランスにならないのでしょうか。先日ヘッドフォンをSONYのCD900STにしたので、「これで完璧」と思い込んでいましたが、やっぱりそう簡単ではないのでしょう。やっぱり今どきの小型モニターSPの導入を考えようかな。
それに、VocalとDrumsが大きすぎますね。私は高校生の頃からバンドもやってきましたが、担当楽器が「DrumsがメインでたまにBass」だったので、どうしてもそこが大きくなってしまう嫌いがあるようです。
私にとってDrumsというものは、経験上「他の楽器が聞こえないくらい大きく聴こえて当たり前」だったのです。アホですね。
基本的にGuitarやKeysは初心者ですから、それを聴かせるアレンジにならないですね。これは大きなウィークポイントです。アレンジの自由度がなくなります。このへんの意識改革が今後の課題になりそうです。
皆さま、次回もよろしくお願いします。
ではまた。
★YouTubeに登録しました・・・!
苦節10か月(?)、ついに、You Tube上に1曲目「パワフル・スマイル」をアップいたしました。
いやーそれぞれのソフトの使い方が分からなくて、難儀しました・・・。何せヘルプや取説を読むのが大嫌いなものですから。
元の音声データは Logic Pro X で10月に一応完成し、MP3データも作りましたが、公開の場をどれにしようか、長らく迷っていました。
親切なブロガーさんたちの話を読んで、Sound Cloudがいいらしいと思ってID登録を試みましたが、画面が全部英語でよくわかりません。それじゃDropBoxで十分かとも考え、こちらもID登録までは行くのですが、その後の細かい説明で嫌になってしまって進みません。
更に様々なブログを拝見すると、やっぱりYouTubeを使う方が一番多いように感じ、使おうと決めましたが、動画をどうするかというところで立ち往生していました。
いろいろ悩んだ末、結局 Logic のシーケンス動作をQuick Timeでキャプチャし、i Movieで歌詞を書き込んで「動画モドキ」をでっち上げてみました。曲を再生しながらミキサーやエフェクトの設定を確認している画面です。真剣に見ていると目が痛くなってきますので、なんかやってるなー程度でお茶を濁すことにしてください。
なお、あらかじめお断りしておきますが、私は「初老のソングライター」と自称していますが、「シンガー」とは標榜しておりませんので、歌唱のクオリティにつきましてはご容赦ください。
ハッキリ言って、歌手が出来る声質じゃないし、自分でも気持ちが悪いくらい音は外れています。歌詞も微妙です。しかし、メロディとアレンジはそれなりに作りこんだと思っています。
音楽のジャンルは「20世紀のアメリカンポップス」です。あの頃どこかでヒットチャートの最高位30何位だったかな・・・というところを狙っており、一般受けは目論んでおりません。でも自分はこういうのが好きなんです(それが唯一の自信!)。
では、御用とお急ぎのない、暇で暇でどうしようもない方、変なものを見聴きしたがるモノ好きな方、何があっても冷静でいられる方、めったに怒らない気の長い方、試しに5分間、耐えて聴いてみていただけますでしょうか。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
子守歌に何を聴きますか? ①”Disney Girls(1957)”
私は寝床に入るといろいろなことを考え、脳が興奮してしまう癖があって、なかなか寝付けません。そんなときはWalkmanのタイマーを30分に設定し、落ち着いて集中できる曲を「子守唄」として聴くことにしています。
いくつかパターンはあるのですが、その中で最も多用するのが、Bruce Johnston のペンによる名曲”Disney Girls(1957)”です。
Bruce Johnston - Disney Girls - YouTube
この曲はもともとBeach Boysの”Surfs Up”というアルバムで発表されていますが、正直このバージョンは、ギターのフェイズシフターがかかりすぎて浮いてるし、全体のアレンジも今一つのような気がします。
Beach Boys - Disney Girls - YouTube
カバーで秀逸なのは、なんといってもArt Garfunkelのもので、アレンジも歌唱もハーモニーもパーフェクトと言え、もはやカバーではなくArtのために書かれた曲と言っても良いのではないかと思います。
Art Garfunkel - Disney Girls - YouTube
アレンジの点では、夫婦デュオのCaptain & Tennilleのバージョンがいい味を出しています。Toni Tennilleの歌は少しぶっきらぼうで、Bruceよりも男らしい感じですが、夫であるDaryl Dragonのエレピの演奏が素晴らしく、思わず聞き入ってしまう名演と言えると思います。
Disney Girls - Captain & Tennille - YouTube
最後にBruce本人のバージョンですが、バンド形式のものよりピアノソロで歌っているもののほうが、情感がこもっている気がします。
近年は再びバンドの中でライブでも披露しているようです。往年の声のハリはすっかりなくなりかすれ声ですが、大事に歌い続けてきたのであろう、年輪を感じさせる味わいがあります。
このように、いくつかのバージョンを並べて聴くと、自然と演奏や歌声に集中することになり、私は余計な考え事をすることがなくなります。脳の活動が緩やかになり、そのうち心地よく眠りにつけるのです。
不眠で困っている方、一度お試しになってはいかがでしょうか。
ではまた。
M1について(KORGじゃないほうの)
2018年のM1GPも面白かったですね。
個人的には、かまいたちとジャルジャルが良かったな。特にジャルジャルの「ゼンチン」は本当に笑った。久しぶりに腹と頬が痛くなりました。但し彼らは決勝戦で使い古しのネタを持ってきてしまった。「あと一ネタ」が用意できていれば・・・。惜しい。
優勝は和牛でも良かったと思うけど、最後に置きに行った感が出てしまった。もう一つどんでん返しを用意していれば決まってたかな。
霜降りはボケもツッコミも、新しいスタイルを開発して見せた。そこがハナの差一つ前へ出た理由でしょうか。
ところで、せっかくの素晴らしかったM1に水を差した(水をかけた)出場者がいたようで、お笑いのファンとしてはとても残念だし情けないですね。「自分の感情だけで審査した」と思っている時点で彼らは何も分かっていない。上沼さんが「嫌いです」って言ったのを本心と捉えるのは短絡でしょう。
本当は「そのやり方じゃ万人受けしない(=「おばちゃん達には嫌われる」)ということ、だからそれ以上どんなにやっても高得点はとれないということを、彼らが傷つかないようにオブラートに包んで分かりやすく表現したかったのだと思う。
でも上沼さん、彼らが努力していることは知っているから、親心から、自分のせいにして半分「ボケ」ている形なのに、それに気づかないのはだめだな。
そのボケを拾って、皆が笑えるノリツッコミをとっさにできるように芸を改良してほしい。「更年期障害」というフレーズは、ボケ役に言わせれば何倍も膨らむでしょ。ツッコミが使ったらあかん。一回で使いきってしまう。
M1で優勝するってことは、翌日からいきなり全国区になるということでしょう。生放送の観客は若い女性ばかりだったけど、寄席やTVで見てくれる人口は、おばちゃんが圧倒的なんだからね。ジャルジャルやミキのことを「好き」って言ってたのも、おばちゃんたちには人気出るよという評価からであって。決して個人的な好き嫌いだけじゃないはず。そこは分からなくちゃ。ちょっと近視眼すぎたね。
いずれにしろ、奇行や驚きを狙うスタイルや、相方をいじめているように見えてしまうのは、素直に笑えないので長続きしないと思う。
しっかり謝罪して反省して、懲りずに頑張ってほしい。
SONY MDR-CD900STを買いました
長年使っていたヘッドホン(SONY MDR-Z500)がだいぶくたびれてきたので、思い切って、ついに、あの名機 MDR-CD900STを買いました!
SONYのメーカー本体ではなく、CDやゲームソフトのSMC(SONYミュージックコミュニケーション)さんが販売しているのはちょっと驚きました。
1985年、私がまだ20代でオーディオ店の販売員としてヘッドホン担当をしていた頃、前身である「MDR-CD900」が発売されました。当時は確か25,000円位だったと思います。
CD900STはそのマイナーチェンジ版で、1989年の消費税導入後(物品税が廃止された結果)抑えた価格で発売されました。金メッキ接点ブーム以前の設計だから、プラグがシルバーのままです。でもあの時から、モニター用として間違いなくNO.1の音質と思っていましたが、久しぶりに使ってみると、やっぱりそうでした。
基本のスペックがそもそもいいし、一つ一つの音がくっきりはっきりしています。でも最大の特徴は、音の違いや変化が聴き分けられること。
一番すごいのは、DAW上で各パートのエフェクトの設定を変えたときなどの音の変化が、明確に聴き分けられるんです。
例えば、録音済みのエレキギターの音を聴きながら、プラグインのアンプシュミレーターでプリアンプやキャビネットの設定を変更したとき、音の違いがはっきり聴き取れます。 また、ボーカルのエキサイターやリバーブのかけ具合の調整なんかも明瞭になります。「どっちがいいかな~」なんて悩んでいた部分が、「あ、こっちがいい」と、瞬時に判断できるのです。これは大きい!一層やる気が出ます。
作業効率もグンと上がりますね。良いモニター機材を使うということは、こういうことなんですね。分かっているつもりだったけど、体験として分かっていませんでした。もっと前から買っておけばよかった。
ではまた。
ELOのヒュー・マグダウェルさんが亡くなられました
またまた訃報です。
Electric Light Orchestra の初期メンバーでチェロ奏者のヒュー・マクダウェルさんが、11月6日に亡くなられたとのことです。
元ELOのチェリスト、ヒュー・マクダウェルが65歳で死去 | NEWS | MUSIC LIFE CLUB
この写真は1978年にロンドンのウェンブリースタジアムで行われたコンサート(アウト・オブ・ザ・ブルー・ツアー)のライブLD(レーザーディスク)のジャケットです。左上のチェロ2名の左側と、右下の写真で立ってチェロを弾いているのが彼。カッコよかったな。65歳って、私と5歳しか違わないじゃん!
ELOは当時このツアーの直前に来日し、武道館でコンサートを行いました。確か同時期にBob Dylanも来日して、多くの友人はそちらの話題で持ちきりでしたが、私は断然ELO! 友人にはELOファンがいなかったので一人で見に行きましたが、寂しいどころか大満足のコンサートでした。
2階席の前のほう、けっこういい席でした。設備上の問題があって大きなUFOのセットはできないようでしたが、緑色のレーザー光線は出まくりで、目でも楽しく、ヒット曲オンパレードの充実ライブでした。英語の歌詞なんてテキトーですが、とりあえず全曲一緒に歌える! こんなこと後にも先にも他にありません。すばらしかった思い出です。その中でヒューさんを、直接見て・聴いていたんですね。その節はありがとうございました。ご冥福をお祈りします。
さて、ELOことJeff Lynneさんは、1年ほど前に最新のライブ音源と映像を発売しています。こちらも今年、入手しました。
40年たっても、基本的にセットリストはほとんど変わっていません。アレンジもほとんどスタジオ盤通りです。すごいことに、70歳過ぎているのにJeff本人の声のキーも変わらずです。さすがに何曲かで一番高い所をバックコーラスに任せているところもありますが、ファルセットも基本的にしっかり出ています。
変わったところと言えば、やはり全体の雰囲気と言いましょうか、若い頃はギラギラしているし曲のスピードも走り気味でしたが、ここではゆったり、噛み締めるように演奏してくれます。観客も当時からのファンが多いようで、タテノリではありません。
それから、バンドメンバーが一新されています。初期のキーボード奏者、Richard Tandyさんだけは在籍しているようですが、このコンサートには不参加。
若いメンバーによるタイトな演奏は歯切れよく精密で、曲の良さ・アレンジの良さが浮き彫りになります。ドラムもBev Bevanのようなもっちゃりしたドラミングではなく、軽快で聴きやすい。
全体として集大成に相応しい演奏です。Jeffさんも幸せそうで、いいライブです。
往年のアーティストが幸福な晩年を送っているのを見届けるのは、いいもんですね。
ではまた。